ライアーの誕生
ライアー(Leier,Lyre)の誕生は1926年
オーストリア出身の哲学・思想家で、芸術、教育など多方面に影響を与えたルドルフ・シュタイナー氏に強い影響を受けたドイツ人音楽家エドモンド・プラハト氏(1898-1974)と彫刻家のローター・ゲルトナー氏(1902-1979)により、シュタイナー教育の治癒教育・音楽療法の現場で使用するために製作されました。
ゲルトナー氏はライアーについて、以下のように述べていたそうです。
「器具、器械ではなく、器官としての楽器を作りたかった」
(出典:「ライアー~新しい弦楽器の誕生と可能性」ライアー響会)
ライアーのボディの響き、音の響き、奏者と聴者の心の交流。目・耳・鼻・口・内蔵という様々な人間の器官。楽器というものは、目に見えぬ魂という器官を形にしたものなのかもしれません。
ライアーの特徴
周波数
主に、ライアーはA=432Hzに調弦します。
現代音楽では440~445Hz(国などにより異なる)に合わせることが一般的となっており、音楽により「高揚感を上げ、士気を高める」ために使用された側面もあります。
しかし、ライアーは外的刺激に強く反応して閉じてしまう心に働きかけるように、穏やかで落ち着いた響きを追求し、周波数が低く設定されているため、優しく響く癒しの音色と言われています。
耳を澄ます
ライアーは一枚板で作られ、小さな音しか出ない構造になっています。
ひとつひとつの音を丁寧に響かせ、その音の向こう側にまで耳を澄ませ、音が消えた奥まで感じていく。そこに「自分から聴く」という「能動性」が生まれます。
静寂を聴く
心を開く
そんな明鏡止水のイメージ空間で、鮮明に映し出される自分の姿を観ることができるのかもしれません。演奏をしていても、自分の心が波立てば音にも現れますし、あまりの心地良さに眠くなることもあります。いまの自分自身を見つめる、いまの自分に集中できる時間をライアーは与えてくれます。
日本での広がり
ドイツでは、音楽療法・治癒教育に使われる楽器としての役割が大きいライアーですが、日本では、2001年の映画「千と千尋の神隠し」のエンディング「いつも何度でも」を木村弓さんがライアーの弾き語りで演奏したことで、多くの人たちに知られるところとなり、今では日本が一番ライアー人口が多いと言われています。
音楽療法・治癒教育にとどまらず、楽器として自由に楽しむ方も増えており、これから独自の進化を遂げていくのかもしれません。
世界的にも、教育の場に限らず、芸術的なアプローチをしていく流れにあり、今後、形を変えて拡がりを見せていくであろうライアーの響きが様々な人の元へ届けられ、穏やかな輪が広がっていくことでしょう。
どんな音?
聴いていただいた方の中には
キラキラした光が降り注ぐ感じ
温かさを感じる
爽やかな森の中にいる感じ
宇宙へ飛んだ
というようなご感想をいただくこともあります。
私のイメージは・・・
澄んだ水の表面を、光の粒がサラサラと散歩していて、静かに潜っていくと、どこまでも澄み切っていて
ふいに何かが飛び込んできて、水面に波紋が広がり、ザワザワとさざめき立ったとしても、時が経つと、ピタリと水面が滑らかになり、全てを映し出してくれるような
そんな深い森の中にある湖の奥深くに潜っていく
という感じがしております。「メロディを聴く」というより「響きを全身で感じる」、そして心をニュートラルに戻してくれるものでもあります。
人によって、感じ方は人の数だけあります。
自分の中に浮かぶイメージをただ、全身で感じてみてください。
私の持つライアーのご紹介
ゲルトナーライアー(演奏用)
35弦ソプラノライアー(中古で購入)
ドイツのゲルトナー工房で作られた共鳴箱のあるタイプ
共鳴箱の中でふくよかに響く音が弾き手の体や聴くものに伝わります。ピアノの黒鍵と白鍵のように音階が並んでおり、様々な曲を演奏することができます。
ソウルサウンドライアー
シュタイナー学校の元教師であった、アンドレアス・レーマン氏が依頼を受けて1995年に考案されたヒーリングに特化したライアー。ドイツのMarius工房。
日本には、レーマン氏が初来日した2009年頃から広まりました
共鳴箱がないため、空間に融合するかのように音が響き、不協和音のない構成となっています
形状、弦の数、音階などにより、様々な種類が生み出されています
私の持っているソウルサウンドライアーは桜材の「スターシード」です。2020年9月に阿蘇の地で制作WSに参加し、生まれました。「シ・ミ・レ・ラ」の4音4オクターブ48弦で構成されています。1音につき3弦ずつ並んでいるため、倍音を増幅させ豊かな響きが拡がります
桜材は月と共鳴する水エレメント。水分を多く含むため、身体の60%が水分と言われている人間のカラダとの親和性が高く、ヒーリングに最適です
テーマは「本当の自分を思い出す。地球に降りてきた自分の使命を思い出す」
21弦キンダーハープ
21弦キンダーハープ(トネリコ材)
2021年11月、埼玉県さいたま市のSacra工房にて制作しました
「レ・ミ・ソ・ラ・シ」の5音で構成されており、不協和音がなく、子供のようにココロに感じるまま自由に奏で、感じることができます
トネリコ材は太陽と共鳴する陽のエレメント。明るくキラキラした光を感じます
まとめ
いかがでしたでしょうか?
長い年月をかけて積み重ねられた音の響きを感じ
「いま、ここにある自分に集中する」
「自分の足元を丁寧に見つめる」
「自分自身と繋がる」
そんな風に、人生の一歩一歩を大切にしていきたいですね。
生の音は、直接ココロやカラダに伝わります。是非、ライアーと同じ空間を共有し、響きを全身で体感していただけたらと思います。
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